KAZUの完全復活を目指して

平成23年1月1日元旦の午前1時 年越しJOGの途中で転倒して大怪我をした。 大腿部と手首の骨折〜救急車の搬送〜2回の入院と手術を経て2月9日に退院。 そして退院後のリハビリ通院は79回をもって、平成23年6月29日に終了した。 さぁこれから、ここから、どこまで出来るのか、本当に復活(完全)出来るのか? 本気でヤルのか、情熱を注げるのか、そして過去を超えられるのか? 質問と疑問に対して、正々堂々と、決して逃げずに、答えを出してみよう。 こういう人生を、こういう生き方を、思い切り楽しんでみよう。 KAZUさんよ、タイトルに負けるなよ!

13時予備校の恋(21)

13時予備校の恋(21

 

わたしの目の中に、彼女の探しているものが、本当
にあるのか、ないのかを確かめている様子だった。
さながら「わたしの御眼鏡にかなうかどうか、思案
中よ!」といったところか。


わたしは、彼女の次の言葉を待っていたが、昭和の
アイドル歌手みたいに、おざなりの小さな微笑みを
浮かべるだけだった。

 

甘くて無口なシュクリームみたいに、彼女は何も言
わないまま、数秒間の間があった。私はドキドキして
ジリジリした。試験開始の声を待っているように。

わたしは先に根負けする。「では、ど、どこかにお茶
飲みに行こうか?」喉の奥の方から懸命に言葉を絞り
だした。頼りなくて情けなくて女々しい声だった。

それでも彼女はすぐに反応する。「そうね!」高級な
真珠みたいに、瞳をキラリと一瞬だけ輝かせた。

いま、あなたは緊張して、それを隠そうとしている。
いいわ、あなたの動揺に気が付かない振りをしてあ
げるわ!という含んだ笑いをしながら「そうね、そ
れでもいいわ」赤い唇は、わたしに囁きかけた。

いままで話をしなかった彼女と、こうしてほとんど
初めて、まともに会話をした。彼女の魅力はいつも
通りだったが、わたしはいつも通りにヘタレだった。

 

心と身体はブラックホールに吸い込まれるように一
気に持っていかれそうだった。それは心地よかった。
それでも良い。いや、それが良いと思った。

その一方で何かがおかしい、何かが違うとも感じた。

13時予備校の恋

13時予備校の恋

 

「今日は買物しなくて良くなったの」と言い、三

日月みたいに怪しい笑顔を意味ありげに浮かべた。

少し憎たらしいけど可愛いと思った。「(宿題はな
かったのに)宿題終わったわ。お母さん、おやつ
頂戴よ!」しれっと嘘を言う小娘のようだった。

 

彼女の妖艶な表情を目の当たりにして、わたしは
少しうっとり、少し油断をした。餃子とビールの
ように、うっとりと油断は男の定番メニューだ。

 

そのとき、彼女の顔は女の子から女に変る。

 

赤い唇を閉じて、わたしに顔を近づけて、静かに

眼を閉じて、唇をすぼめて突きだす。わたしに何

かの行動を求めてということは起こらなかった。

そのときは、ただ、それだけのことだった。

 

それだけのことだったが、それでもわたしの心拍
数は急上昇した。ドキドキが、ロマンチックが止

まらない。19歳の浪人生、恋の弾丸スタート。

一方の彼女の方は凍らせた豆腐みたいに冷静だった。
国際空港の手荷物検査員のような目をしていた。

 

わたしの目の中に、彼女の探しているものが、本当
にあるのか、ないのかを確かめている様子だった。
さながら「わたしの御眼鏡にかなうかどうか、思案
中よ!」といったところか。


わたしは、彼女の次の言葉を待っていたが、昭和の
アイドル歌手みたいに、おざなりの小さな微笑みを
浮かべるだけだった。

13時予備校の恋

13時予備校の恋

 

西友の前で20分間、私の首は左右に揺れ続けた
。約束の時間から10分遅れて、彼女は表れた。

プーチン大統領のように堂々と遅れてやってき
た。美しい胸の曲線の彼女は甘く微笑んでいた。

 

「待った?遅れてごめんね」と言ったが、ゴメ
ンの顔ではない。「見ての通りだよ。待ったに
決まっている」と言いたかったが言わなかった。

わたしは「いや、ちょっと前に来たから」と小
さな嘘をついた。相変らず嘘の多い男なのだ。

 

彼女は3僂世艶く。反応はそれだけだった。
あとは何も言わなかった。次はわたしから何か
を言わなければいけないと思ったら、口から言
葉がポロッと出てきた。

 

「買物って西友なの?」と尋ねた。彼女の手が
マジックの小鳩みたいに、サッと飛び出てきた。

彼女は手首を回して手の平をヒラヒラさせた。腱
鞘炎のリハビリ運動を教える理学療法士のように。

彼女は「それ、違うの!」と言った。まるで、わ
たしの方が勘違いしているような言い方だった。

 

「今日は買物しなくて良くなったの」と言い、三

日月みたいに怪しい笑顔を意味ありげに浮かべた。

少し憎たらしいけど可愛いと思った。「(宿題はな
かったのに)宿題終わったわ。お母さん、おやつ
頂戴よ!」しれっと嘘を言う小娘のようだった。

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