2013.4.11(木)
05:15〜06:10/ストレッチ・軽く筋トレ・ゆる体操
06:20〜07:00/入浴、ストレッチ・正座
08:30〜09:30/経絡 治療院

ねぇ〜どうしてこんなに、涙が溢れてくるんだろう。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン

タッチ式の自動ドアが開くと、この季節の風が店内に侵入してきて、
視線を落としているボクの頬にやさしく触れて、すぐに静かに消えていく。
どっぷりと浸かっていた感情の世界から現実の世界へ、自分の心に戻ってくると、
いつもの場所の、いつものコーヒーの香りが鼻孔をくすぐってくる。
右手に持ったタンブラーを口元に接近させると、鼻の辺りで光っている何かが
視界に入ってきた。ボクは慌てる、ボクは焦る。 そして驚いて、そして恥じ入る。
まるで蜘蛛の巣をはらうようにして、それを左手で巻きつけるように掴みとる。
光っている正体は、鼻から下に10cmほど伸びた鼻水の垂れ下がりだった。

本に夢中になっていて、鼻水が垂れていることに気付かなかった。
照れ隠しに、いや、誤魔化すために、ツッコミを入れてみる。

なんでやねん、なんで本を読みながら鼻水垂らしてんねん。
なんの本や、20代の恋愛? 自分なんぼになった?
20代の恋愛小説を読んで、鼻水垂らす52歳か、おっさん、あんじょうせいや!
それと、今夜勝って巨人に勝ち越しや!

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伸さんは健聴者で私は聴覚障害者なんだと改めて突きつけられました。
伸さんの言ってくれたことは、すごく嬉しかったけど、でもそれはやっぱり
自分は引け目や負い目が何にもない人の言い分です。
もし、私に耳のハンデがなかったら、そして伸さんに耳のハンデがあったら、
私も伸さんと同じように「私も気にしないから伸さんも気にしないで」って言えます。
だけど、実際に私には耳のハンデがあって伸さんにはないから、私は想像の中でも
伸さんに「気にしないでいい
」とは言えないんです。
だって私は「聞こえ」がないということがどういうことか分かっているから。
それが社会の中でどういうハンデになるか知っているから。
(中略)
これだけ差があって、「気にすることないよ」なんて言えますか?
伸さんは気にしないかもしれないけど、私は気にするんです。
気にするしかない人に、そんなこと気にするなよというのはむごいです。
ハンデなんか気にするなって言えるのは、ハンデがない人だけなんです。
それも、私に迷惑かけないならあなたにハンデがあっても気にしないよって
人がほとんどだと私は思います。自分に迷惑がかかったら、途端にうるさそうな
顔になる人はいっぱいいるんです。それが現実なんです。
(中略)
障害は恥じゃない、隠さなくてもいいと身内にも
同障者や健常者の方にもたくさん言われたことがあります。
伸さんが私に言うようなことは、もう誰かが絶対に
言ったことなんです。
それでもやっぱり私は、恥じなくていいはずの
障害で恥ずかしい思いや嫌な思いをいっぱいしたし、
私は伸さんの悪意を疑っているんじゃなくて、
世の中を信じることが怖いんです。
伸さんは違うって信じることが怖いんです。

あのさぁ、俺には確かに聴覚障害のことは全然分からんよ。
でもいっこだけ俺にも分かってることがある。
だから俺の分かってることで話をする。
だって、障害のことは「そんなの健聴者の伸さんには分からない!」
で終わりやし。ちょっと卑怯やでそれ。俺、どんなに頑張っても
障害のことなんか本当に分かれへんもん。
最初から分かるはずのないもん、「分からんから言うても無駄や」
で逃げられたら話をしたい俺は置いてけぼりや。
「レインツリーの国」 有川浩 P97〜105一部抜粋

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