01月01日(木)  11キロジョグ088分・河川敷をゆっくり走る、OK!
01月02日(金)  15キロジョグ130分・展覧会の絵、ボレロ、キャメル
01月03日(土)  REST・ストレッチ&筋トレ、BOX、手話、ギター
01月04日(日)  15キロジョグ130分・グッバイイエローブリックロード
01月05日(月)  REST・ギター練習と読書と手話学習、昼寝少々
01月06日(火)  エアロバイク50キロ114分・脚が張っているので
01月07日(水)  REST・映画「フェアリー」鑑賞、主演ブラット・ピット
01月08日(木)  3キロジョグ30分・不安なのでエアロバイク27キロ60分
01月09日(金)  15キロジョグ130分・だいじょうぶ、でした、ファイト!
01月10日(土)  15キロジョグ130分・凸凹の10日間、これでいいのだ

01月11日(日)   REST・やっぱり、さっぱり、あっさり、足は突っ張る
01月12日(月)   REST・まだ走ってはいけないとふくろはぎが叫ぶ
01月13日(火)   REST・もう少ししてからにしたら、と私はつぶやく
01月14日(水)   REST・4連休みになったけど、気にしないように
01月15日(木)   7キロジョグ60分・大丈夫だけど、無理はできない
01月16日(金)   7キロジョグ60分・もう少し身体に慣らして行こう
01月17日(土)   REST・久し振りに左足の調子が悪い、黄色信号
01月18日(日)   REST・今日は悪くない、様子見の日曜日にする
01月19日(月)   REST・昨夜、突然左足が強烈に痺れる、凹んだ
01月20日(火)   REST・昨夜は5分間だけ突然痺れた、ドンマイ!

01月21日(水)   5キロジョグ45分・寒いけど、屋外は気持ちが良い
01月22日(木)   11キロジョグ85分・心配ない、何ともない、ナイナイ
01月23日(金)   11キロジョグ95分・アランドロンと僕を比べてを聴く
01月24日(土)   11キロジョグ80分・あらぁ〜調子いいんじゃないの
01月25日(日)   REST・昨夜は下北沢でライブ鑑賞、帰宅23時
01月26日(月)   11キロジョグ80分・雨上り早朝は私の好きな時間
01月27日(火)   11キロジョグ95分・ちあきなおみの喝采は泣ける
01月28日(水)   11キロジョグ95分・Take先生、点でなく線で考える
01月29日(木)   5キロジョグ35分・少し不安があるので、半分じゃく
01月30日(金)   11キロジョグ95分・阿川康子の YOUR SONG
01月31日(土)   11キロジョグ95分・RCサクセションだ、清志郎だ!

01/01〜01/10=ジョグ06日間74キロJog
01/01〜01/10=ジョグ02日間14キロJog
01/21〜01/31=ジョグ10日間98キロJog

2014年
01月ジョグ22日間110キロJog(  110K)
02月ジョグ20日間129キロJog(  239K)
03月ジョグ26日間200キロJog(  439K)
04月ジョグ26日間240キロJog(  679K)
05月ジョグ24日間240キロJog(  919K)
06月ジョグ06日間043キロJog(  962K)
07月ジョグ10日間044キロJog(1006K)
08月ジョグ10日間056キロJog(1062K)
09月ジョグ10日間087キロJog(1149K)
10月ジョグ08日間032キロJog(1181K)
11月ジョグ26日間235キロJog(1416K)
12月ジョグ22日間260キロJog(1676K)

2015年
01月ジョグ18日間188キロJog(  188K)

師匠の表情がクルクルと連続して2回変わった

「テブクロを逆から言って下さい」と言われたように、最初は少し考えてから
そして直ぐに”まったく今さら何を”と言いたげな表情で口元を緩めて言った。
「それはKAZさんが、どれ位のタイムで走りたいか、ですよね」、師匠の目の
奥がベテランのフクロウみたいに鋭く光る。小手先の誤魔化しは通用しない
のは6年前から学んでいる。花咲か爺さんのように、私は正直に答えた。

「46歳のときに初ハーフで102分で走ったんです、それで脚を痛めて3ヵ月間
ダメでした。自分としては、46歳の自分(初ハーフ)より今の方が若干は良い
と思うので101分で走りたい。でもその為には、2月にポイント練習を入れる
必要がある。どれくらいやったら良いか、どのくらい出来るのか、わたしには
それが分からないのです。Take先生はどう思いますか?」

師匠の瞳孔が固くなる。使いこんだレーサー光線が私の瞳に突き刺さる。
「KAZさんだったら、ポイント練習をやらなくれも101分で走れますよ。心肺も
気も強いから、気合入れたら無理して、走れますよ」そう言ってから、師匠の
硬い表情から何かが急にパラパラと抜けていった。ブラシを使っているときに
髪の毛が抜けるときと似ていた(師匠の髪の毛が本当に抜けた訳ではない)。

わたしが肯定のときにする無言の”うなづき”を2回続けたのは、師匠の話し
に、まだ続きがあることが分かったからだ。左を向いた師匠がホワイトボード
に黒い油性ペンで3月8日と書き込んだ。その様子を見ながら、少し目を細め
たのは老眼の癖だろうと私は思った。寝起きの悪いミミズのような筆跡だった。
そして、師匠はもう1度わたしの顔を覗き込んでから、一呼吸おいて言った。

「いまKAZさんが101分で走ったら、また脚を痛めて2〜3ヵ月走れませんよ。
走りたい、頑張りたい、証明したい、というKAZさんの気持ちは分かりますよ。
でもね、それでは意味がないんですよ。ここまできて、いま、無理しなくて良い
じゃないですか。5年振りのレースですよ。ちゃんと段階を踏んでから、秋冬の
レースで、マラソンで、そのときに記録に挑戦したら良いじゃないですか!」

師匠の表情がまた、変わってきた。「さらば涙といおう」を歌っているときの
顔になっていた。「KAZさん、練習は、レースは、点ではなく線で考えましょう」

わたしは小心者がするような、小刻みな”うなづき”を繰り返していた。
わたしの中にある、肉の脂身が溶けていくような感覚だった。
その脂身が溶けて流れて蒸発したら、わたしの身体と心が軽くなっていた。

そうか、そうなんだ、と私は思った。ただ一生懸命やるだけが、いつでもベスト
アンサーではないのだ。どうして私は、そういうところをいつも勘違いするのか。
師匠のアドバイスを受けるまで、レースでは故障を覚悟で突っ込もう、と私は
本気で考えていたのだ。まったく、ふぅ〜、やれやれ。

オールドファッション(ミスド)を1つ食べた後のように、わたしの顔の表層筋が
みるみるうちに緩んでいった。「Take先生、なんだか急にスッキリしました」と
言うと、師匠が右手を差し出してきたので、その手を私は強く握った。
修学旅行中の中学生のような表情で、師匠が嬉しそうに柔らかく笑っていた。

錦糸町行きの都バスの中で、わたしは丸井で購入する予定のスーツと、師匠
のことを交互に考えていた。

スーツは5万円以内にしよう。
それから、師匠はやっぱり凄いな、わたしは思った。

人は一人では決して幸せになれない。
いい成績をとったことを心から喜んでくれる人がいなかったら、
そんなものはクソ食らえだ。
金八先生(武田鉄矢が演じる中学教師)
ドラマ『3年B組金八先生(第5シリーズ)』
脚本:小山内美江子(おさない・みえこ)第1話 1999年10月14日放送


wkbook17