05:25〜06:30/ストレッチ・軽く筋トレ・ゆる体操
06:35〜07:10/入浴、ストレッチ・正座
08:30〜09:30/職場近くの経絡治療院
何も悪いことなんかしていないのに、どこまで転げ落ちるのだろう?
数年前に「しゃぼんだま」という小説を読んでいた状況を、鮮明に記憶している。
保険の試験が時間前に終わって、会場から出たところの長椅子に座っていた。
そこで最期の場面を読みながら、ボクは声を詰まらせて、むせび泣いていた。
嗚咽している声を押し殺すのが大変だったことを覚えている。
久しぶりに読んだ乃南アサの「ニサッタ、ニサッタ」は、
現代日本で働く若者をリアルに描く、上下巻2冊の長編小説。
この本は、乃南アサの期待通り、それ以上の素晴らしい小説だった。
最期の場面では、「しゃぼんだま」と同じように、ボクの顔はベタベタになっていた。


転職した会社が倒産してしまった片貝耕平は、人材派遣会社に登録したが
どの仕事も長続きせず、担当者と喧嘩して辞めてしまう。
アパートの更新もできなくなり一発逆転を夢見てギャンブルにのめりこんで消費者金融の
「回収担当」に追われる身となった耕平はようやく住み込みの新聞配達の仕事を見つける。
借金を何とか返し終えた耕平は、北海道・斜里の実家に戻る。
その雄大な自然に癒されたものの、働き口は見つからない。
そこに新聞配達所で一緒だった沖縄出身の竹田杏菜が突然やって来る。
ようやくスーパーの正社員の道が見えてきた矢先、酒酔い運転で事故を起こしてしまう。
明日への希望を問う感動長編。(講談社文庫)
こうやって本を読んでみると、さまざまなことに気付かされる(勉強になる)。
失業、派遣、バイト、日雇い、ネットカフェ、ホームレスなどの言葉は、
私たちと無関係ではなく、ほんの何かのタイミングによって誰でも起きうること。
就業と失業、富裕と貧困は、ほんの紙一重の要因によって発生している。
そういうことが、分かっているようで分かっていない、わたしたちは。
人々が幸福を難しいことだと思うのは、過去を実際より良く、
現在を実際より悪く、未来を実際よりも不安定だと考えるからだ。
マルセル・パニョル(20世紀フランスの劇作家・映画監督・小説家、1895〜1974)


鶏団子雑炊、コーヒー、724円(200円割引券) 華屋与兵衛 東新小岩店
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