KAZUの完全復活を目指して

平成23年1月1日元旦の午前1時 年越しJOGの途中で転倒して大怪我をした。 大腿部と手首の骨折〜救急車の搬送〜2回の入院と手術を経て2月9日に退院。 そして退院後のリハビリ通院は79回をもって、平成23年6月29日に終了した。 さぁこれから、ここから、どこまで出来るのか、本当に復活(完全)出来るのか? 本気でヤルのか、情熱を注げるのか、そして過去を超えられるのか? 質問と疑問に対して、正々堂々と、決して逃げずに、答えを出してみよう。 こういう人生を、こういう生き方を、思い切り楽しんでみよう。 KAZUさんよ、タイトルに負けるなよ!

2013年12月

冷静さを奪うもの(STAR・26)

ただ偶発的に条件反射で出してしまった、たった一発のパンチ

こちらとしては、ことさら丁寧に話そうと努めた(つもり)が、ご理解して頂け
ない紳士であるならば、それはそれで、そういう行為も仕方がないでしょう。
それでは今回は時別に、男の拳(こぶし)を使用して会話をしましょうかぁ?

A地点にあるAがB地点まで移動して、B地点のBとAが衝突した瞬間にBは
C地点まで吹っ飛ばされる。Aは反動でA地点に戻る。B地点は誰もいない。

右の拳が的(部分)に当たった瞬間だった。衝突力学の法則に従ってドンと
飛んだ。その一撃で変形した部分から赤黒い液体が、たら〜たら〜と流れ
出てきた。それはまるで、ガラモン(ウルトラQ)の最期の場面みたいだった。

地べたに尻もちをついた男が、ぶるぶると震える手が部分に触ると、手の甲が
トマトジュースをこぼしたように真っ赤に染まる。先程まで赤かった顔が血の気
の引いた青白い顔に変わる。「警察だぁ〜」とか、「救急車を呼べ」等の怒鳴り声
金切声があっちこっちから聞こえてきた。最新式の映画館のように、多方面から
の臨場感のある、迫力のある音響効果だった。

ボクは正当防衛じゃないかと自分に弁解する。相手さんが挑発的だったから、
突発的だったから、こっちだってウォーミングアップなしで手加減が出来なかった。
煌(きら)びやかな走馬灯のように、頭の中にいろいろな考えがぐるぐると回る。
会長さんゴメン!こんなときに、こんなところで、よりによって素人さんに対して、
会長さんから教えてもらった、顔面を打ち抜く右ストレートを出してしまった。

おいおい何を考えているんだ。そんなことより、この状況をどうするつもりなんだ。
相手の怪我、鼻骨の骨折、休業補償、慰謝料、損害賠償、弁護士、刑事責任、
民事賠償、宅建免許の取り消し、廃業、借金、世間体、子どもの進路、経済問題。

そこになんの計画性もない。ただ、ただ、偶発的に条件反射で出してしまった。
そのたった一発のパンチによって、そのたった一発のパンチだけで、これまでに
コツコツと少しずつ築き上げたものが、質素で平凡で僅かな生活の何もかもが、
失われるのか、取り上げられるのか、根こそぎ奪われてしまうと言うのだろうか?

悩み事は決して明日の悲しみを奪うわけではない。
ただ今日の活力を失わせるだけである。
A・J・クローニン(イギリス・スコットランドの小説家、劇作家、1896〜1981)


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冷静さを奪うもの(STAR・25)

これは正当防衛なんだと頭をよぎる

「ちょっとごめんねぇ」と言った彼女の顔には、”霧雨に満月”のような困惑の色
がぼんやりと浮かんでいた。それまでの彼女とは、何かが明らかに変った。
渋滞している国道246号線のタクシー後部座席にいる女優さんの表情だった。

赤ちゃんの頭を左手で優しく支えるように、ソフトバンクのスマートフォンを柔ら
かく包み込んで、右手の人差し指がその画面の上を滑らせていた。このような
彼女の一つひとつの仕草は、とても美しかった。こうしてただ見ているだけでも
こちらの性格まで優しくなれるような気がした。彼女の着ている黒いジャケット
の下のシャツは新雪のように真っ白だった。その白いシャツを見ているだけで、
こちらまで綺麗に洗濯された気分だった。しかしその彼女の表情は、階段を
慌てて駆け上がっているように、次第に険しくなってきた。

何かあったのだろうか。急ぎの用が発生したとか、スケジュールに関することか、
何らかのトラブルとか。あるいは今の状況について、「そんなところで、どこの誰
だか分からない奴と一体なにを話しているのか?そこで何をやっているのか?」
などと誰か叱られているのかもしれない。そう思ったら何かしらの落ち着かない、
そわそわとした気分になった。しかし、ボク自身に原因があるのだろうか。
大阪の梅田のオバちゃんのように、図々しく馴れ馴れしく大スターに話し掛けて、
くめ納豆のように粘っこく糸を引いて、彼女に迷惑を掛けているのだろうか。

そのとき、濃紺のジャケットを着た中年男がボクの視界に飛び込んできた。
本人はクールビズのつもりだろうが、客観的にみたら高度なクールデブだった。
コーラを飲みながら唐揚げを食べることが生き甲斐のような中年男だった。
満腹の猪のように、小走りでこちらに向かってきた。重さを感じた靴が悲鳴を
上げるように、”ざっざっざっ”、という不快な音が近づいてきた。

その靴がかわいそうだった。たぶん、普通より早く消耗するだろう。いや、あの
体型からして普通より歩かないはずだから、意外と長持ちするかもしれない。
だからと言って今度ボクが生まれ変わっても、その靴だけはゴメンだと思った。
その靴を履いていた猪のような中年男は、彼女のマネージャーだった。

でっぷりとした体躯のマネージャーが息をぜいぜい切らせながら駆け寄ってきた。
そしてボクの前に仁王立ちした。はぁはぁ〜ふぅふぅ〜、心肺が苦しそうだった。
その目は四本足の動物が攻撃を開始するときの輝きだった。座っているボクを
上から見降ろしていた。ようやく呼吸が落ちついてきたところで、こう言った。

「ちょっとあなたねぇ、こういうのって迷惑なんですよ、意味は分かるでしょう?」
タクシーでシマムラに乗り付けてきて、怒鳴り始めたクレームおばさんのように、
見るからに底意地の悪い、三角形の目が今にも飛び出しそうな勢いだった。

「いや、そういう訳じゃないんだ。そういう経緯じゃないんだ。そもそもボクから
彼女に話し掛けたのではなくて、それはたまたまと言うか、偶然とか成り行きと
言うべきか、つまりこれは、あらかじめに計画していたことではなくて・・・・」

そこで「ちょっと待って!」と食べ過ぎのイモ虫みたいな手を出して言葉を制した。
マネジャーの丸い顔が”茹でタコ”のように真っ赤になって、こう言った。
「あのねぇ、わたしが言っているのはねぇ、そういうことじゃなくて、あなた(ボク)が
余りにしつこくするから、ファンを無下(むげ)に出来ないAちゃんにアンタが・・・・」

今度はこちらが相手の話を止めてやった。ボクはさっと立ち上がった。太っちょの
マネージャーの正面に対峙したら、もっと上背がありそうに感じていたが以外にも
目線は同じ高さだった。全体的に太っているから、背が高く感じたのだろう。
そのことは、少しばかりの安心をボクに与えた。マネージャーの盛り下がった
なで肩の上に両手を置いて、軽〜くポンポンと2回叩いた。

「なぁ〜そうやって、かりかりするなよ。ちゃんと話せば分かることなんだからさぁ〜
まずはそこへ座りなよ、ぽっちゃりくん!」、とボクは言って、肩の上に置いた両手
をモミモミ(マッサージ)して、半ば強引に椅子に座らせた。

その椅子にぽっちゃりくん(マネージャー)が座った瞬間に、バネ仕掛けのように、
がばっと勢いよく立ち上がった。熟れ過ぎたトマトのような顔になっていた。
丸い顔から噴水のように火が噴いて、その目は太ったミミズのように血走った。
そして、親の仇うちのようなパチパチと燃える目で睨みつけてきたので、ボクは
にやりと笑い返した。その瞬間だった。丸太棒のような肉厚な右腕が半円を描く
ようにしてこちらに向かってきたので、ボクは目はつぶらずに頭だけ30cm下げ
ると、ぽっちゃりくんの右の拳がだらんと空を切ったので、(会長とのミット打ちの
アドバイス通りに身体が反応した)、上体を上げながら体重を乗せた右ストレート
をぽっちゃりくんのまん丸い団子鼻を目掛けて、真っ直ぐ最短距離で繰り出した。
(この瞬間に、これは正当防衛なんだと頭をよぎった)

ボクの右拳には、なにか柔らかいものを押し潰した、ぐにゃっという感触があった。
「ぶふぉっ」という唸り声、「がしゃ〜ん」という椅子とテーブルが倒れる音に続いて
今度は、「キャ〜!」という女性の大音量の叫び声が、すぐ近くから聞こえてきた。


心理学のダジャレですけど、「事故が起こったときに自己を発見する」。
トラブルが自我、自己を見つけさせるんですよ。
武田鉄矢(歌手・俳優・タレント、1949〜)


永遠の~1


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