KAZUの完全復活を目指して

平成23年1月1日元旦の午前1時 年越しJOGの途中で転倒して大怪我をした。 大腿部と手首の骨折〜救急車の搬送〜2回の入院と手術を経て2月9日に退院。 そして退院後のリハビリ通院は79回をもって、平成23年6月29日に終了した。 さぁこれから、ここから、どこまで出来るのか、本当に復活(完全)出来るのか? 本気でヤルのか、情熱を注げるのか、そして過去を超えられるのか? 質問と疑問に対して、正々堂々と、決して逃げずに、答えを出してみよう。 こういう人生を、こういう生き方を、思い切り楽しんでみよう。 KAZUさんよ、タイトルに負けるなよ!

2018年09月

心の大きさ その

心の大きさ その

 

素晴らしい大晦日だった。しかしこのわずか30分後に、
人生が一変する素晴らしい体験と壮絶な体験が待って
いるなんて、だれが想像できただろう。


わたしはレジ袋を受け取り、外に並んだゴミ箱の上に
それをバサッと置き、ビニール包装をむしり取った梅の
おにぎりを、飢えた馬のようにバクバクと食べた。


私は半分飲んだ温かい缶コーヒーをゆっくりと、倒さ
ないように、ゴミ箱の上に慎重に置いた。昔のボーリン
グ場で倒れたピンを手作業で立たせる疲れた作業員
のように。



あっという間だった。コンビニ前でボ〜としている間に
2010年と2011年は素早く入れ替わった。歓声も拍手
も口笛も音楽もない、冷えた日の丸弁当のように沈黙
の旧年と寡黙な新年だった。


単なる節目には特別な意味はない。継続した時間の
経過に過ぎない。カレンダーを1枚破るか、新しいカレ
ンダーに代えるか。つまり、
2010年と2011年は同じよ
うなものだと考えていた。いやそんなことは何ひとつ
考えていなかったと正直に言うべきなのだ。


妻と娘に「おめでとう」と慎ましいメールを送信した。
元旦の風が、挨拶代わりに頬を撫でた。缶コーヒー
を少し飲んだ。セブン店頭には前年最後の汗臭い
客がいたが、新年最初のまともな客はまだいない。
わたしは
5分後に携帯の画面を覗いた。代わり映えし
ない携帯だった。迷惑メールもなければ、家族からの
返信メールもなかった。


我が家の女性陣はジャニーズのテレビを見る。
冷蔵庫を何度も開けて、何度も覗き込み、何かを食べ
何かを飲み、わたしの関心のない芸能人に関する
おしゃべりを永遠に続けているのだ。わたしからの
メールは「早ければお正月のあいだに、遅くても今
年中には目を通すから」。それはどうも、ご親切
にと、わたしは微笑んだ。


家族の温かみを胸にしたわたしは、ゴミを正確に
分別して、それぞれのゴミをそれぞれのゴミ箱に
5-4-3のダブルプレーのような素早い動作で素早く
放り込んだ。

 

それから黒いリュックを背負い、黒い空を見上げて
両手を上げて見えない無数の星を掴み、元旦の出
来立ての冷たい空気を肺に吸い込んでから、両手
を下ろした。

 

そこでわたしは、先ほど掴んだ星と、僅かに残って
いた幸運のすべて手放したのだ。

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心の大きさ その

心の大きさ その

家族は「紅白歌合戦」と「絶対に笑ってはいけない」を見ていた。
私はどちらにも関心がない。午後
910分、家庭の温かみを
振りはらう荒野のガンマンのように、わたしは自宅を勢いよく
飛び出した。拳銃はないけど、使えない頭と無駄に鍛えた脚
があった。リュクを背負い、
55狙茲砲△訐田山新勝寺に
向かって、ゆっくりと走り始めた。

 

走ったら帰る。大空をぐるぐる旋回した鳩が小屋に戻るように。
翌朝の元旦早朝に家へ帰る予定だった。しかし実際に戻った
のは
1ヵ月後だった。ジャージではなくパジャマを着て、涙と
笑顔の帰宅だった。私は車椅子に乗って生還したのである。


千葉方面へ向かってのランニング。
大晦日の街並みはザワザワしていたが、歌舞伎の開演前の
観客のように、しっとりとした平静さと上品さをなんとか保って
いた。走る車と歩く人は、いつもよりも断然少ない。
ランニング中の変人は、わたしだけだった。


蔵前橋道路から市川、船橋を経由して、津田沼からの成田
街道をひたすら走り続けると、右手には網のフェンスに覆わ
れた陸上自衛隊の習志野駐屯地、左手には電飾看板を
煌々と照らしたセブンイレブンが見えた。
節電より販売促進、TVよりマラソン。


「あと5分したら2011年」ガーミンはデジタル数字で教えた。
ここまで
25舛鯀った。「休憩しなさい」年老いてやつれた
声が、身体の内側から聞こえてきた。


右の自衛隊には入れないから、左のセブンイレブンに
入った。代わり映えのしないコンビニだ。綾瀬はるか、
石原さとみはいないが、刺激的な雑誌はある。
店員は1人。新年のカウントダウンをコンビニでやろう
という人間は、習志野には一人もいなかった。


体はズングリ重たいが、頭はスカスカに軽い、冷めた
心と冷めた細い目をした若い店員がいた。年末年始
など知ったことかという顔で、おにぎりと缶コーヒーを
不愉快そうにレジ袋に詰め込んだ。「面倒をかけて
悪かった」と言いたかったが、言わなかった。


店員はありがたくなさそうな顔で「ありがとうござい
ます」と言った。喉の奥のくぐもった声だった。
わたしの顔は一度も見なかった。
その通り、それは正しい判断なのだ。

 

それにしても、素晴らしい大晦日だった。

このわずか
30分後に、人生が一変する素晴らしい体験
壮絶な体験が待っているなんて、誰が想像できただろう。

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