心の大きさ その


わたしがそんな馬鹿げた戯言を考えているとは、コンビニの店員
は夢にも思っていなかっただろう。
BY THE WAY ところが…..

 

店員の顔は、わたしの接客時と違った。別人のようだ。緊張感の
ない満月のように非現実的な夢を見ている表情を貼りつけていた。

努力の嫌いな人間が、宝くじの当選を想像した時に決まって
浮かべる“ひょっとこ”、崎陽軒の醤油入れの顔だ。


シウマイを食べる時は微笑ましいが、疲れている時はイラッと
する、ひょっとこ。

今年こそ良い年になりますように!
二度と汗臭い爺ランナーは来ませんように!


ひょっとこの言う通りだ。わたしは温かいお風呂に浸かり、さっぱり
して、一杯の水を飲み、寡黙な死人のように安らかに眠るべきだ。

せめて
6時間、できたら7時間、あるいは永遠に。しかし、わたしは
その考えをすぐに打ち消した。


男は誰でも不幸なサムライ、花園で眠れぬこともあるんだよ♪
サムライ
by沢田研二

 

安眠とお節料理と初夢は、やることをやってからだ。人間観察、
心理分析、悪口雑言の場合ではない。じろじろとなめるように
見て、あの人は少し変だと言う昭和の煙草屋の婆さんみたいに。


TOKIO
NoNARIT!ゆっくりと先を急ごう、幸運を呼ぶ
(はずだった)成田山は、まだ
30狙茲覆里澄

わたしは考えた。まったくもって暇だから、馬鹿だから、大晦日
に年越しランなんて暇なこと、馬鹿げたことを、さも自慢げに、
得意がっている。そしてそこに、油断という隙間がポッカリと空
いたと気が付いたのは、リハビリ中の半年後だった。


とにかく、とにかく、とにかく、走らなくてはいけない。

まだ30繊いやいや310本だ。こんなことは、何でもない
と言う顔をするのだ。


こうして、気持ちを二転三転させてから、ようやく再スタートの
準備が完了した。わたしは何食わぬ顔をして、大腿骨骨折前
の最後のランニングをスタートした。

 

まっすぐ最短距離で走り出した。

愚かな人間が転がり落ちてくるのを、大口を開けて待っている
地獄のヒキガエルに向かって、私は嬉々として走り出したのだ。

↓ 冨士そば 新小岩北口店

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