13時予備校の恋

嫌なことは考えない、先送りにする、現実と向き合わない。
しかし、そういう生き方を続けていたら、いずれその責めに
利息を乗せて負うことになる。

本気で勉強するのか、やっぱりしないのか?

浪人生活、わたしの9月は、その責めを負うのか、また逃げ
てしまうのか、追い込まれたギリギリの分岐点だった。

高田馬場駅から細い道をダラダラと5分歩くと、年季の入っ
た予備校がある。建物を見上げると、嫌でも目に付いたのが
馬鹿でかい時計だ。時計は、12の次に13という数字だけ
がハッキリと目立つように、赤い太字で施されている。

13
時の意味について、誰かが私に教えてくれた。それが
誰だったか、またどういう説明で、どういう意味だったか
は、尼さんの頭のようにキレイさっぱり忘れてしまった。

覚えていたこともある。クラスは30人、女性は8人だ。
予備校には珍しいクラス制(担任指導員付き)だった。

これは浪人生が受験勉強と予備校通いから脱落しない為
の縛りだった。カモメはカモメ、ナマケモノはナマケモノ。
縛りの効果については、それは人それぞれだったが。
授業料は年間50万円位の高額、しかも一括前払いだった。

上に大学のある私立附属高校に通っていた、そこそこ金持ち
のボンボン、ボンクラが多かった。例えば國學院大学附属高
校とか、わたしのように日本大学附属高校のように。

日大の附属は3人いた。附属高校にいながら、なぜ日大へ
進学しなかったのか、と貴方は疑問に思うかもしれない。

答えはシンプルだ。しなかったのでなく出来なかったのだ。