13時予備校の恋

 

浪人生には守るべき3つの掟がある。^枩を好き
になってはいけない。好きになっても口説いては
いけない。9イでもないのに口説いてはいけない。

 

3つの掟、知ったことではない。酒と煙草に女、
なにを今更だ。彼女がいない理由は掟ではなく、
煩わしさと面倒だ。携帯とメールのない時代の
電話の取次ぎ、親の手前、ただそれだけだった。

 

浪人生の彼女が誰かに恋をするなんて、8月の
沖縄に雪が降るように、あり得ないことだった。

 

優等生で清楚な彼女は不真面目浪人生に関心ない。
恋の予兆や予感など、私は露ほども感じない。ゼ
ロだ。私の恋愛超高感度アンテナをもってしても。


そもそも、彼女を含めた女子8人と私は会話がなか
った。わたしを嫌っていたかは別として、彼女たち
の関心は合格の為に少しでも偏差値を上げることだ。

そうやって勉強だけに集中できる人もいる。でき
ない人もいる。もちろん、わたしは後者だった。

19
歳は20歳の前、好奇心はマックス。異性と
、遊びたくて、遊びたくて、遊びたい年頃だ。

電車には青山ボートハウスのトレーナーを着た丘
サーファー、馬カップルがイチャイチャ。青春ご
っこに夢中な男女が嫌でも目に入る。目に余る。

自由大学、不自由浪人、幸福大学生、不幸浪人生。

これ以上の勉強先延ばしはダメだ。それが分かっ
ていても、それでもわたしは勉強が出来なかった。