13時予備校の恋

 

自由大学、不自由浪人、幸福大学生、不幸浪人生。

これ以上の勉強先延ばしはダメだ。それは分かっ
ていたが、それでもわたしは勉強が出来なかった。

 

そういう時期にポッと現れたのが彼女だった。


彼女は魅力的。わたしは傍観者。好きになって
も、モーションをかけても、恋心を打ち明けて
も、すべては無駄に終わる。彼女からの恋や愛
を受け取ることは出来ないと、わたしは思った。

確固たる理由があった。それは客観的に見たら
決定的証拠(理由)であり、わたしからみたら
、かなり深刻で絶望的な状況だった。

噂だ。クラス内の周知の噂(情報)だった。
その良からぬ噂とは、わたし自身だった。

担任の指導員は女子生徒に、わたしのことを
吹聴していた(あとから分かったことだが)。

「佐藤さんは遊び人だから、気をつけなさい」

若くはない。オールドミス。背が低く、牛乳瓶
の底のような丸メガネ、真っ赤な口紅、2
化粧。彼女の名前はクラス指導員の邦子。

 

佐藤はクラスを乱すと、邦子は考えたのだ。

真面目な浪人生を悪道に誘う。受験生は勉強か
ら遠くなる。脱落。どこの予備校でもその手の
輩はいる。受験生の敵、腐ったミカン、危険分
子。「それが佐藤さん」邦子は警戒していた。