13時予備校の恋(28


四方を壁に囲まれた混沌の牢獄に一筋の光が差し込むと

全体が明るくなり障壁は消滅、どこまでも広がる、どこ
までも飛んで行ける正しい宇宙の秩序(無限)を感じた。

 

わたしは天下を取った気分だった。銀河系に飛び出した
1972
年ロケットマン(エルトンジョン)の気分だった。


これからは彼女と一緒に受験勉強を頑張ろうという闘志
が沸騰したヤカンみたいに、ふつふつと沸き起こった。

彼女と力を合わせようと思ったが、身体は合わせようとは

考えなかった。正確には考えないようにした。そういう日

が来るとしたら、それは二人が予備校生(浪人生)ではな

く、晴れてピカピカの大学1年生になってからのことだ。

その為には強い意志と決意が必要である。わたしから言え

ば「我慢」あるいは「ご褒美」「ご馳走」とも言えるが。

彼女と交際するうえで3つの不文津があった。

  1. 彼女を裏切らない ⊆験勉強をする 8鮑櫃枠詭に

 

彼女に想いを寄せていたY君、またクラス内、特に指導員
の邦子を考えたら、アイドル並み極秘交際の遵守である。

ところが、この1カ月後にとんでもないことが起こった。
絶対にバレてはいけない人に、絶対に遭遇しないところで
、それが偶然か運命の悪戯かは別にして、まったく言い訳

の出来ない場所での決定的場面、つまり鉢合わせしてしま

うことになるのである。(詳細は後程)

 

夕方、店内は倒産寸前のお店のように空気は沈んでいたが
私たちの気持ちはいやが上にも高揚していた。

枯れ木みたいな店員から、冷めた細い目をしたどうしよう
もなく太った女性店員に入れ替わっていた。